Q.私は、中国の会社の董事長です。今後、日本で中古車輸出業のビジネスをしたいと思っています。私のケースのように、外国の会社が日本での営業をするために営業許可を取得する場合、外国法人を申請者とする行政の許可の取得は可能なのでしょうか?それとも、日本支社を設立し、その名義で営業許可の取得をしなければならないのでしょうか?

A.日本の会社法では、 外国法人が日本で継続的に取引するには、日本での営業所もしくは日本での代表者の登記が必要になります。

ですから、日本でビジネスを行うためには、日本法人を行うか、日本での営業所もしくは日本での代表者の登記が必要になります。駐在員事務所では、広報活動や市場調査業務等、一定の活動しか行うことができませんのでご注意ください。

そして、日本でビジネスを行う場合、外国法人も日本の法律に従わなければなりません。つまり、許認可取得の必要があれば申請が必要で、個々の許認可の要件を満たしていれば、外国法人も許認可を取得できると考えられます。

ただし、中古車の輸出ビジネスを行うためには日本で「古物商」の許可が必要で、古物商の許可を取得するには、常勤の事業所の管理者が必要ですから、1年のうちほとんど管理者が海外にいるようなケースでは古物商の許可は取得できません。

また、古物商許可については、所轄の警察署によっては、外国法人の日本支店の日本における代表者が「企業内転勤」の在留資格の場合には、古物商の申請自体を受け付けないような例もあるようです。

これは、不法就労を取り締まる側の警察が、就労資格のない外国人に許可を出してしまい、不法就労を助長する結果となることを恐れているためです。

しかし、入管が外国法人の日本支店の日本における代表者を「企業内転勤」として在留することを認めているのに、警察が「経営・管理」でないと古物商の許可を出さないというのはおかしいです。

もっというならば、古物商許可の許可要件の中に、在留資格を有していることは入っておりません。

したがって、在留資格「経営・管理」を有していないことをもって古物商許可申請自体を認めないのは違法の疑いが強いです。

実際、当職の経験では、多くの警察署では現在の在留資格は確認するものの、許可を出した上で適法にビジネスを行える在留資格(経営・管理ビザや資格外活動許可等)を有しているかの証拠(在留カードのコピー等)を事後的に求めることで対応してくれる警察署が大半です。

このように、行政当局の許可が取得できる資格があることと実際に許可を取れることは別なので、結局は個々の要件がどうなっているかをしっかり確認した上で、対応していく必要があると思います。

ただ、中国語で対応してくれる行政庁はほとんどありませんし、このような対応はプロでないと難しいので、専門家と一緒にすすめていくとよりスムーズになるかと思います。