外国人の会社設立後の法人銀行口座の開設方法
代表取締役が外国人であっても、日本人と同様、会社を設立後、会社名義の銀行口座を作ることができ、会社の名前で取引をすることができるようになります。
しかしながら、代表取締役を含む取締役等の役員がすべて海外在住の場合については、実務上、銀行口座の開設を断られることも多くなります。
なぜなら、銀行としても、マネーロンダリングの危険はないか、本当に事業実態のある会社なのかを心配するからです。
日本の会社名義の法人銀行口座開設の必要書類
会社名義の法人銀行口座を作るには、最低限、その会社がきちんと登記されたものであることを証明する書類が必要です。
具体的には、最低限以下のような書類が必要となります(※実際に必要な費用は銀行により異なります)。
①法人登記簿謄本
②法人の印鑑証明書
③会社の定款の写し
④法務局へ届け出た法人実印(銀行に持参)
⑤銀行印として使用する法人の印鑑
⑥代表取締役の身分証明書
会社を設立してから銀行口座ができるまでの期間はどのくらいか
個人の銀行口座は、銀行にいけば通常は即日発行してもらえます。そのため、法人の銀行口座もすぐにできるものと考えている経営者の方は多いです。
しかし、法人名義の銀行口座は、会社を設立してからすぐにできるわけではありません。銀行口座が開設されるには、結構な時間がかかります。
まず、法人登記簿謄本は、会社設立の申請をしてから法務局の審査が完了した1~2週間後にしか取得することができるようになりません。
また、銀行に口座開設のための書類を提出しても、銀行内部で書類に不備がないか、違法な事業はないか(必要な許認可を取得しているか)どうかなどの審査がありますので、さらに1~2週間かかるからです。
そのため、法人設立登記の申請からは、うまくいっても最低1ヶ月ぐらいはかかるのが通常です。
法人の銀行口座開設を拒否される主な理由とは
法人の銀行口座開設を拒否される主な理由には、どんなものがあるのか?はよく質問があります。
実際は様々な理由があるのですが、主なものは次の通りです。
①事業内容
②資本金の額
③会社説明資料やホームページの内容
④過去の決算の内容
④オフィス
①事業内容について
例えば、事業内容に許認可が必要なのに、必要な許可を取得していないと、銀行口座の開設を拒否される可能性が高くなります。
例えば、飲食業だと飲食店営業許可が必要です。また、民泊事業を行う場合は、旅館業の許可が必要です。
許可がないのに事業を行うことは当然できませんから、許認可の取得は専門の行政書士に相談するなどして、迅速に取得しましょう。
②資本金の額について
日本の会社の資本金は法律上は1円からでも可能です。
しかし、資本金の額が1万円などの場合は、事業実態がない、または経営を安定的に行えない、等の理由で銀行口座の開設を拒否される可能性が高くなります。
③会社説明資料やホームページの内容
銀行によっては、口座開設時に会社説明資料やホームページの内容を持参させ、審査資料とする場合があります。
この場合に、事業の内容がよくわからない、もしくは違法な商品を販売する恐れがある等の場合は、銀行口座の開設を拒否される可能性が高くなります。
④過去の決算の内容
こちらは新規法人の場合は関係ありませんが、個人事業主から法人成りしたような場合は、過去の確定申告書や決算書等も審査の対象になりえます。
個人事業主の時代からきちんと確定申告をし、利益も出ているようであれば、審査上プラスにはたらくことが多いです。
⑤オフィスについて
会社設立については、バーチャルオフィスでも設立自体は可能です。
しかし、バーチャルオフィスの場合、その名のとおり、「バーチャル」つまり「仮想」オフィスですから、本店住所に行っても、受付の人がいるだけで、専用のオフィスではありません。このような場合、事業の実態が疑わしいと判断され、銀行口座の開設を拒否される可能性が高くなります。
ただし、バーチャルオフィスでも、提出資料を工夫してしっかりと疎明、説明資料を出せば、銀行口座の開設は可能です。実際に、当事務所のサポートでバーチャルオフィスで法人設立し、大手銀行の銀行口座開設に成功した例がございます。
当事務所の実績
当事務所では、下記のように、難易度が高いケースにおいても法人口座の開設を成功させています。参考までに、実績の一部を掲載します。
1.大阪のSOHOオフィスにて貿易業開業。開業前は九州に在住。大手メガバンクの法人口座の開設に成功。
2.東京のバーチャルオフィスにて開業。しかも大阪在住で本店所在地から住所が非常に遠い。翻訳・通訳業等が主要業務。ネットバンクを約1週間で開設。
3.中国人で短期滞在後、会社設立。食器の販売業。大阪の地方銀行に法人口座の開設に成功。
4.事業歴なし、会社員からの独立起業で記帳代行業務等でバーチャルオフィス開業。大手銀行及びネットバンクすべての口座開設に成功。
5.自分で銀行口座の開設にトライするも、事業内容が複雑で、審査担当者が事業内容を理解できず、口座開設を拒否される。その後、当事務所のアドバイスに従い、書類をきちんと作成し、銀行口座開設に成功。
以上のように、非常に難易度の高いケースにおいても、銀行口座の開設に成功しております。
法人の銀行口座開設を拒否されないようにする方法は?
上記のように、外国人が法人設立後、法人の銀行口座を作ることは、思いのほか大変です。
これから会社を設立しようと思っている方で信頼できる在日パートナーがいない場合には、まずは自分で銀行口座を作ることができる期間、日本に滞在して、銀行巡りをする必要があります。
ただ、一人で出来ることには限界もあります。
そこで、当事務所では、法人設立後の銀行口座開設でお困りの方に銀行口座開設のサポートを行っております。
実は、銀行口座開設にはいろいろな書類が必要になりますし、銀行によって審査にクセがありますので、銀行の審査方針に従った書類を出さないと、審査で拒否される可能性が高くなってしまいます。
つまり、法人設立後の銀行口座の開設を容易にするには、各銀行の審査のクセを知り、それに従った手続きを行うノウハウが必要ということです。
当事務所では、10年以上にわたり、外資系企業向けの日本進出をサポートしてきたノウハウを生かし、外国人の会社設立後の銀行口座開設がスムーズに行くよう、お客様の要望に合わせ、準備書類から、銀行への同行まで、しっかりサポートいたします。
法人設立後の銀行口座開設でお困りの場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
業務報酬
1.日本法人設立後銀行口座開設サポート:3万5千円+税(※1銀行当たり)
→ややこしい銀行口座開設のための書類作成のサポートを行います。拒否されにくい添付資料のそろえ方をアドバイスします。法人の銀行口座で、ネットバンクの開設を希望される方におすすめです。
2.銀行口座開設のための銀行同行サポート:4万円+税
→日本語が不自由な方や銀行に一人で行くのは不安、という方には通訳として同行いたします。地方銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、メガバンク等に口座開設したい場合におすすめです。
3.法人口座開設成功マニュアル:1万9800円+税
→法人口座開設の極意をまとめたマニュアルになります。このマニュアルを読んでから銀行口座に臨むことで、口座開設の可能性はぐっとあがると思います。
※銀行口座の開設にあたっては、審査がありますので、上記サポートは法人口座の開設を保証するものではありません。
一般に外国人、特に非居住者が代表者の場合の銀行口座開設は非常に厳しくなっておりますのでご注意ください。