中国有限公司の日本支店や日本子会社の助成金・補助金受給手続きは可能か
経営管理ビザで日本に在留する中国人社長から、中国有限公司の日本支店や日本子会社の助成金・補助金受給手続きは可能でしょうか?という質問をたまに受けます。
これは、中国で補助金等を受けられるのは、国内企業優遇政策によることが多いためであると思われます。
では、中国企業の日本子会社等の外資系企業も日本で実際に助成金を受けることはできるのでしょうか?
外資系企業とは
外資系企業とは、明確な定義はありませんが、一般には、外国法人又は外国人が株式もしくは出資の3分の1を超える日本の企業をいいます。
外資系企業も日本の会社と同じく、日本において、日本の法律に基づき、 株式会社又は合同会社を設立・登記して事業を行う形態となり、日本の法人格を有することになります。
そして、ほとんどの助成金、補助金は外資系企業、日本企業を問わず、受給できることになっています。
一方で、中国の有限公司の日本支店の場合は受給できる助成金、補助金はやや少なくなります。
これは日本の法人格を有することを要件としている補助金や助成金もあるからです。
助成金と補助金の違い
補助金と助成金は、どちらも申請をすることによって基本的に国から受け取ることのできる資金です。
補助金と助成金の違いは、以下の点があげられます。
助成金の場合
⇒要件を満たしたものであれば、原則だれでも受け取れます。
補助金の場合
⇒申請をしても、審査に通過しなければ受け取れません。
事業の資金繰りを検討する際に、この「補助金」と「助成金」どちらも耳にすることが多いと思います。
どちらも国や地方公共団体からの支払われる返済不要のお金ではありますが、使用用途などを含め、その違いをきっちりと確認しておきましょう。
具体的な違いを下の表にまとめましたので、参考にしてください。
<助成金と補助金の違い>
比較項目 | 助成金 | 補助金 |
お金の支給元 | 国や地方自治体 | 国や地方自治体 |
お金の支払時期 | 後払い | 後払い |
返済義務 | なし | なし |
受けるための条件 | 資格要件を満たせば受けられる | 補助金を使う事業の必要性を 書類でアピールする必要あり |
書類整備 | 資格要件が満たされていることを証明する書類の作成が必要 | 事業に使ったことを 証明する書類の作成が必要 |
会計検査院の検査 | なし | あり |
助成金の分類
助成金は、大きく分けると、雇用関係の助成金(主に厚生労働省) と、研究開発・設備投資関係の補助金(主に経済産業省)に分けられます。
雇用関係の助成金は、財源が雇用保険となっており、、申請者は雇用保険適用事業所の事業主である必要があります。また、条件や内容等が毎年変更になることがありますので、常に最新の情報を入手しておく必要があります。
研究開発・設備投資関係の補助金は、財源が税金となっており、補助金を公募した機関が書類審査と面談を行い、受給の可否を決めます。 条件等は各機関や補助金の種類によって異なりますので、気になるものがございましたら、お気軽にご相談ください。
外国企業・外資系企業に対する助成金の傾向
近年では、各自治体が、インバウンド推進のため、独自に外資系企業の誘致政策を打ち出すことが多くなってきました。
これにより、対日投資に関するインセンティブの設定や外国企業・外資系企業に特化した各自治体の優遇措置等の拡充等が図られ、従来よりも外国企業・外資系企業が申請できる助成金・補助金の種類が増加傾向にあります。
例えば、大阪府においては、外資系企業が大阪府内に子会社や日本支店を設立する場合に、法人設立の手続き費用のうち10万円、ビザ・在留資格申請費用のうち5万円、合計最大15万円を助成する制度があります。
当グループでも、外資系企業が日本に進出する場合の補助金、助成金のサポートを行っておりますので、中国の有限公司の日本子会社設立、日本支店設立の際はお気軽にお声がけください。