在留資格取得許可申請が必要になる場合とは?
在留資格取得許可申請が必要になる場合は、主に次の2つです。
①中国人が日本で子供を出生した場合
②日本国籍を有していた人が日本の国籍を離脱したなどの理由で,上陸の手続を経ることなく日本に在留するようになった場合
このような場合に、日本に60日を超えて在留しようとするときは,この在留資格取得許可申請をしなければなりません。
基本的に多くは①のケースで、子供が生まれた場合のビザ(子供の出生ビザ、赤ちゃんビザ)と考えておけばいいでしょう。
在留資格取得許可申請の必要書類は?
この場合,次のような書類が必要となります。
1.出生による在留資格取得許可申請の場合
(1 ) 在留資格取得許可申請書
(2) 出生したことを証する文書
→たとえば,市区町村役場で発行する出生届受理証明書などです。
(3) 扶養者の身元保証書
(4) 質問書
以上の(1)-(4)は必ず必要な書類ですが,ケースにより、他に要求される場合もありますので確認して下さい。
2.出生以外の事由による在留資格取得許可申請
(1) 在留資格取得許可申請書
(2) 申請理由書
→これは,在留資格を取得する必要が生じた理由や,在留資格取得後に従事しようとする在留活動の内容等について具体的に記載します。
(3) 在留資格取得許可申請の事由を証する書面
→これは,たとえば,日本の国籍を離脱した場合であれば除籍謄本などです。
(4 ) 在留資格取得後に従事しようとする在留活動の内容等を疎明する資料
→これは,たとえば,留学生としての在留を希望する場合であれば在学証明書,成績証明書,学費に関する疎明資料といったものです。
以上のうち(1)(3)(4)の資料は必ず必要です。
(2)に関しては提出義務はありませんが,要求される場合が多いので入国管理局の担当官に確認が必要です。
在留資格取得許可申請における注意点
①そもそも在留資格取得許可申請が不要な場合がある
在留資格取得申請は、あくまで「外国人」(日本国籍を有しない者)が在留資格を取得するための申請です。
ですから、例えば日本人夫と中国人妻の夫婦があり、離婚後300日以内に子供を出生した場合は、注意が必要です。
この場合は、前婚の夫の子と推定される嫡出子(民法772条)となります。
<参照条文>
(嫡出の推定)
民法第772条
妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
(出生による国籍の取得)
国籍法 第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
そして、上記国籍法2条の規定により、子供は日本国籍を取得します。これは、出生届を出してなくても出していても関係なく、「出生という事実により推定される」のです。
ですから、この場合は、出生届を市区町村役場に提出していなくても子供は「日本人」です。そのため、在留資格取得申請は不要となります。
この点、入管で「出生届を出していない以上公的な証明書で日本人であるがどうかわからないから在留資格取得申請は必要」と指導しているケースを見聞きしますが、誤りですのでご注意ください。
②日本国籍を取得した場合は、中国国籍を失う
例えば、日本人父、中国人母の間に生まれた子を日本国籍として、出生の届け出を行った場合は、子供は日本国籍を取得する反面、中国国籍を失います。
これは中国の法律が二重国籍や国籍留保の制度を認めていないためです。
時々日本国籍であることを隠して中国のパスポートを取得し、日中間を行ったり来たりしている方がいるようですが、中国国籍がないのに中国のパスポートを使用することは違法となりますので、ご注意ください。
なお、当事務所では、在留資格取得許可申請代行サポートを行っておりますので、子供のビザ、在留資格や国籍のことでお悩みの場合は、まずはご相談ください。
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