Q.私は、中国で会社を経営している中国人です。カナダにも留学していたので、語学が堪能(仏語・英語・中国語)です。
現在中国でやっている飲食店を日本で行うため日本に会社設立し「経営・管理」のビザを取得して事業を展開したいと考えています。
そのため、日本に現地調査や店舗探しのため、日本にたびたび来日しています。
この後、会社設立から「投資・経営」取得の手続まですべてを行う必要があるようですが、どのようなことに注意をすべきでしょうか?
A.気がかりなのは、短期滞在ビザで日本を度々訪問し、行ったり来たりを繰り返している点です。このような場合、あるとき突然入国時に上陸拒否にあうことがあります。
例えば、以下のようなケースです。
中国人の王社長は上海で現在行っている事業も忙しく、日本に長期間在留することが難しいので、「短期滞在 での来日を何度か繰り返していました。
先日3回目の「短期滞在」で来日するというので招へい人であり、保証人になっているビジネスパートナーの株式会社日本太郎の田中社長が関西空港に迎えに行きました。
しかし、予定の到着時間から1時間以上待っても王社長はロビーに現れませんし、到着便の遅れを知らせるアナウンスもありません。
社長はとても心配して、関西空港の入管に問合せしようと思っていた矢先、関西空港の入国審査官から電話があって王さんについて聞いてきました。
ここでの質問は、「会社設立であれば1か月もあれば終了するはずだ、なのにこんなに何度も日本に入国しているのは何のためか?」いうことでした。
そこで田中社長は「経営・管理」の在留資格を取得するための手続は、飲食店の場所の選定や人材の確保等やらないといけないことが多く、会社設立から始まって約3カ月程度要する旨を説明して了解を頂きました。
入管の職員からは、くり返し「短期滞在」で入国しているので、次回は「投資・経営」の在留資格認定証明書でピザを取って入国させる旨約束し、今回だけは上陸の許可を出してもらうことができました。
このように、日本上陸時には入国目的等の審査があり、短期滞在のビザをもらっているからといって、自由に日本に入国できるわけではありません。
これは、日本に短期であれば何度も出入国可能なマルチビザを持っている場合も同様です。
上記のように、「短期滞在」 の目的でくり返して出入国すると、空港の入国審査で上陸目的を疑われてトラプルになるケースもありますので気をつけてください。